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ダイソーの『野球ゲーム』に出てくる草野球場を求めて その1
ゴールデンウイークは雨ばかりで楽しみ半減でしたねえ。

結局私は野球ゲームばかりしてました(ざっと60試合)。といっても、ダイソー版ではなく、そのオリジナル版(1stエディション)の『草野球』の方でしたが。




「ああ、なんか暇つぶし用の簡単なゲームでもしたいなあ」という動機から始まり、もともとは「で、どんなもんなんだろう」という興味でダイソーの100円ゲームの中古品を、ヤフオクとかメルカリとかで手に入れて近づいたPCゲームの世界だったんですが、結構面白いじゃないですか。

そのようにして、時々、単品で買ったり、複数出品のものをまとめて買ったりしたものの中から、「じゃ今度はこれでもやってみようか」と思って、いろいろ遊んできましたが、この3月に始めたのがダイソーの『野球ゲーム』でした。



やってくる球を打ち返す、ただそれだけで楽しかったのでした。YouTubeではゲーム専用機系ののファミスタ・シリーズとか日本や米国のプロ野球ゲームの内容紹介動画がたくさん出てますけど、そういうものは、これまでやったことがなかったので、比較のしようもなく、この「かわいらしい二頭身キャラたち」が織りなす勝負の世界を、ただただ面白がっていられたのは、かえって、よいことだったと思います。




このダイソーの野球ゲームのショートカットアイコンには「野球ゲーム」ではなく、「草野球ダイソー版」と書いてあったことが気になって、「ってことは別のバージョンがあるのかな?」と思い、ネットで調べ始めました。

すると、ダイソーの野球ゲームは、2002年にMSD-JAPANが出した『草野球EX』の機能制限版だった、ということが分かりました。

Windows XP全盛時代の20年前、ダイソーで100円で売られていたPCゲームの多くが、実はMSD-JAPANという、PC用ゲームに特化して商売をしていた会社の終焉によって実現された「過去商品の再パッケージ化」だった(すなわちダイソーへの版権移動事件だった)という事実を、私は最近まで知りませんでした。

ファミコンに代表されるようなゲーム専用機向けの商品開発に労力を注いだ会社は、今日巨大な企業に成長しています。今となっては、ネットでMSD-JAPANについて調べようとしても、ウィキペディアにすら出てきませんし、個人が懐かしんで、MSD-JAPAN体験の思い出を語っているようなページも、検索かけてもヒットしません。私には、このことが、なんだかとても不思議な気がします。







YouTubeにはダイソー版の『草野球』の紹介動画と、『草野球EX』紹介動画が上がってますので、見比べることができます。「ゲームやおよろず」内にある記事も参考になります。

ダイソーの『草野球』は3チームで行うゲームでしたが、元ネタの『草野球EX』は6チームあり、PC相手だけではなく、1P対2Pで試合をすることもできることが分かって、「よし、じゃあ、このソフト手に入れよう」と思い、アマゾンをチェックしたら、ちょうど折りよい時期に当たっていたのか、中古品を手に入れることができました。

もとは2000円の品でしたが、なんと中古販売業者は新品を7000円で出してました、私はもうひとつあった中古品の方を3700円で買いました。

『草野球EX』にはさらに以前のエディションがあるので、こちらの初代「草野球ゲーム」の方もヤフオク経由で手に入れました。


「初代」の方もEXと基本構造は同じで、6チーム構成で、かつ対PC戦と1P対2P戦もできるのですが、『草野球EX』で、それまでできなかった牽制や盗塁を盛り込んだというわけです。




『草野球EX』は値上がりし、中古品を手に入れにくくなってますが、初代の『草野球』は500円前後でヤフオクやメルカリで運が良ければ入手可能な状況です。



ダイソー版の『草野球』のジャケットには二頭身キャラしか登場しません。もともと「そういうキャラとして制作されたゲーム」であったならば、少しもおかしなことではありません。

ダイソー版、EX版、初代版と、新しいエディションから古いエディションへと、順に写真を見ていただいて、気づかれたと思いますが、ジャケットにおいて、ダイソー版は、キャラに感情移入する「スキマ」があまりありません。

その理由は、ゲームを開始すれば、チーム名とか選手名とかは分かるにしても、ダイソー版では、かつてのソフトには付属していた「ある要素」が完全に払拭されているからです。

MSD-JAPAN版のケースにはアニメ絵っぽいイラストが描かれていますが、2000年版にしても2002年版にしても、ゲームの中にこれらのジャケット絵が再び出てくるのです。とはいえ〈彼ら〉は絵を提示するだけで、なんの説明もしていません。



しかし「それ」が、私の空想癖に火をつけてしまいました。私はこれらの絵をもとにアニメ作品として一連のお話を空想し、南二子山町内会やらフォーチューン・ナンバーズやらフライング・ウインズやら幸福ケ丘駅前商店街やらトワイライト・ソルジャーズやらエリオンズ・トラッカーズ・クラブズやらというチーム名の由来を考えました。




私が空想する、このアニメの主人公は、南二子山チームの投手たる山田姉さんです。本当はエヴァンゲリオン(二子山からの連想です)みたいな巨大ロボット物語内における、それぞれにクセのある組織集団の登場人物たちの織りなす物語の幕間劇としての草野球のシーン、それがこの『草野球』だったのではないかと、思い込むことにしたのです。そうすると、さらに楽しくなりました。

実在するアニメにも幕間劇として草野球をするエピソードを盛り込んだものがいくつかありましたね。例えば近年では『ドロヘドロ』なんかもそうでした。




ロボット搭乗員たちと整備士集団、彼らが利用する商店街の人々、名前を数字で呼び合う別組織のロボット搭乗員たち、戦闘機に乗って戦うパイロットたち、陸上自衛隊の隊員たち、忍者のようなアサシン(追跡者)を抱えるエリオンという組織、などなど、そういう人々がこの山田姉さんの活躍を中心に描かれるアニメの登場人物たちです。







そして彼らは「過酷な日々」を過ごしながら、なぜか「定期的に集って草野球をする」のですが、その様子を描いているのが、この『草野球』というPCゲームの正体だったのだ、というのが「私の見立て」です。

もちろん、すべて私の妄想(二次創作)に過ぎないのですが、ダイソー版では外されてしまったイラストと、そのイラストの中に盛り込んだ「裏設定」のようなものは、制作者側の〈彼ら〉(STUDIO Sequence)の中には確実に存在したはずだと思います。

〈彼ら〉から、それを聞くことができたら、どんなに楽しいことでしょうか。

次回に続く。





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