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ダイソーの『野球ゲーム』に出てくる草野球場を求めて その4

ある時、

Look for the grass field of your dreams . If you find it, something  will come.....Maybe.

という声が聞こえた……というのはもちろん嘘であります。

しかし、最初に手に入れたダイソー版の『草野球』の球場フェンスの向こう側に現れた橋を見たとき、「この草野球場のある場所を突き止めたい」と思ったのは確かです。

俄然興味が湧いたので、その後、順に『草野球EX』そして初代『草野球』を手に入れた話はすでに書きました。

それぞれにおいて、ゲーム最初に現れる画像は、ダイソー版、EX版、初代版の順に以下のようなになります。








なんと、もともとの「草野球場」は河川敷ではなかったのでした。このような平坦な土地が日本で見られるとしたら、それは北海道以外ありえません。

関東にもこのような風景を見ることのできる場所が、あるいは存在するのかもしれませんが、そうだとしても、「私には見つけられそうにない」とすぐに思ってしまいました。

しかし一方で、実は、EX版には、のちにダイソー版で大フィーチャーされることになる河川敷野球場が出てくるのです。

初代版の野球場はひとつだけですが、EX版には二つの野球場が出てくるのでした。そしてその「新しく付け加えられた方の野球場」が、ダイソー版で展開されるゲームのメイン会場になったのです。

EX版の場合、たいていの場合は前回ユニフォーム話をしたときに見てもらった左側の野球場が現れます。ところが自陣をフォーチューン・ナンバーズ、幸福ケ丘商店街、エリオンズ・トラッカーズ・クラブズにしたときだけ、ダイソー版と同じ草野球場が現れる仕様に変っていたのでした。

そのときに流される鳴り物(トランペット)のメロディーもまた別バージョンのものになります。だからダイソー版で使われている球場と鳴り物効果音は、EXでは使用されなかった組み合わせでセットアップされている、ということになります。


ダイソー版に使われている写真を見てみましょう。



A



B


C






私はこの草野球場がどこなのか突き止めたいという衝動にかられました。

写真Aは橋桁のところに、化粧垂木のようなものが若干狭く2本、その間は広めに5本並んでいます。

写真Bでは2つの橋が写っています。奥の橋は斜めに進んでいますね。

写真Cではトラス構造(△▽△▽△)を持った鉄道橋が遠くに写っています。

私はこれらの情報は「使える」んじゃないかと思いました。

このような河川敷の野球場は東京にある、と仮定しました。そして多摩川か荒川か江戸川のどれかに付属する野球場だろうと思って調べ始めましたが、最初のうちは、検索してもはかばかしい写真に出会えませんでした。

二子山と聞けば、若い人たちはエヴァンゲリオンのドラマの展開地を最初に連想するでしょうが、私の場合は相撲部屋でした。調べると、二子山部屋は荒川と江戸川にはさまれた土地にあるじゃないですか。そういう見立てのうえで検索を始めた結果、多摩川河川敷をいろいろ眺めてみて最初に候補から外しました。だから、ということは、荒川か江戸川のどちらかだろうと思いました。

私は最初のうちは、荒川が有望だと思っていたんですが、うまく検索に想定していたような球場も橋も現れませんので、「じゃあ、江戸川」と思って検索すると、トラス構造の橋の下にある野球場の写真をいくつか見つけたので、「やっぱ江戸川河川敷かあ」と思ってちょっとだけうれしがっていたんですが、さらに検索を進めて江戸川にかかる16本の橋の写真をチェックしてみると、自分が思い浮かべている条件と合致する橋と野球場がないことに気づきました。


「もしかして東京にある川の河川敷野球場じゃないかもな。ああ、もうあきらめよう」と思って一旦は投げだしたんですが、後日、Googleの地図検索でもう一度挑んでみると「ここかもしれない」と思える一枚の写真に行き当たりました。右が四つ木橋の河川敷の写真です。左の写真に写っている川と土手を仕切る鉄パイプ製フェンスと同じものが、右の写真にも写っているじゃないですか。下の写真では、写真Aに出てくる化粧垂木のようなものが写っている橋の写真です。これがこれが突破口でした。






それでいろいろさらに調べて確信感覚を増やしていきました。でもこれ以上「写真の一致事例」を長々と語っても退屈でしょうから、最後に以下のような航空写真を見てもらって終わりにしたいと思います。



航空写真に書き込んだABCの矢印が写真を写した方向だと思います。


結論:ダイソーの『野球ゲーム52』において、選手たちがプレイしていたのは「墨田野球場A面」である。


私は九州住まいなので東京の地理ことはまったく分かりません。あれこれ苦心してやっと自分なりに納得できる結論には到達できましたが、実は「大きな勘違いだった」ということもありえますんで、ぬか喜びでなければいいなあとは思っています。

もし東京在住のかたで、荒川河川敷近辺にお住まいの方がいらっしゃったら、「私の見立て」が正しかったのかどうか、散歩で暇つぶしがてら、ご報告いただけたら幸いです。



『草野球』ゲーム?、「うちのパソコンはWindows 10(or 11)64bit版だから、どうせインストールできないしなあ」、と思われた方、ご安心ください。三つともに、CDを開いて任意の場所にコピーしてしまえば、ちゃんと動いてくれます(11は未検証ですが)。Windows10 32bit版ならば、インストール自体が可能です。

ゲーム開始の最初の画面下部に出てくる「PRESS TRIG (A)BUTTON」という表記のAはキーボードのAではなく、ジョイパッド用語なので勘違いしないでください。初代とEXに出てくるSPACEの方はキーボードです。


ピッチャーとして投げる球種は豊富ですよ。私はZ(つ)・X(き)・C(そ)と方向キー(初代版とEX版では、説明書はYGHJかテンキー8426の使用を勧めていましたが、ノートブック型はテンキー使えませんしねえ)を使ってましたが、Zを押して指を離し、ピッチャーが投げる前に、すかさず方向キーを長押しすれば、カーブ系、シュート系、速い球、普通の球、遅い球が投げ分けられます。球速も、コンマ〇〇秒の範囲で投手ごとに調整されているみたいです。

ダイソー版に登場する投手たちは球速の上では、下位の3人ということになります。一番の速球派はエリオンズのイーサンです。彼は打撃能力も最高ポイント者なので、今でいう大谷翔平的立ち位置にいる投手兼強打者です。

投げるときピッチャーが踏むべき有効な投手板の位置は(カーソルは左に6つ、右に6つくらい動きますが)実際には6つくらいはあるんじゃないでしょうか(すみません、検証不足なので今のところ断言できません)。5×球種5つ、あるいは6×球種5つで25種類、あるいは30種類くらいは投げ分けられるんじゃないかと思います。

6人の投手の投球速度とコントロール能力はそれぞれ異なってますので(直球を選んでもまっすぐ打者の足元に飛んでこない場合がある)、これに25種類、あるいは30種類(推定)の球種を合わせれば、それぞれ個性を持った投球になるようです。


速球キーとカーブキーの同時押しは有効か試してみたんですが、どうやら無効のようです。もしこれが可能だったら、球種はさらに増えることになったんですがねえ。

1P対2Pはダイソー版ではできませんが、/キーで開始して1P側を選び、次にZキー側で2P側を選ぶようにすれば対戦ゲームに入れます。ちなみに初代版『草野球』では、Zキー=/キーだったのですが、『草野球EX』ではキーアサインメントの再設定時に凡ミスをやらかしたらしく、/キーの右隣の左傾き直線キー(ろキー)がZキー、/キー=Xキーというふうにちぐはぐな状況になっています。「CDの説明書は誤りです」という趣旨の訂正文が添付されていた紙製の説明書に書いてありました。


さて、「なぜ、STUDIO Sequenceは、EX版で河川敷野球場を付け加えたのか」そして「なぜダイソー版からイラストを〈完全排除〉したのか」という疑問が残っていますが、そろそろ考えるのにも疲れました。

ということで今回の一連の投稿は今回でひとまず終了したいと思います。

「ダイソー版からのイラストの完全排除」と書きましたが、実はそうではありません。宮大工が自分の名前が書かれたノミを屋根裏に残したり、小説『さんちき』みたいに、自分の名前を人目につかない場所に彫ったりする話があるように、ダイソー版のCDの説明書の最後の右隅に、以下のような絵が「私のことも忘れないで」と、小さい白黒画像で載せられています。




『草野球』というゲームを三部作として眺め直してみると、制作者たちのメッセージに満ちていますが、「そうだとは気づかれないように作られている」ところが、実に実に面白かったですねえ。


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