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掛軸についてはずっとレギュラーサイズのものを飾ってきたので、別段気にもならなかった壁紙の変色が、ミニサイズの掛け軸を飾ると、きわめて見苦しいものになってしまうということに気が付いて愕然としてしまった。
写真のとおりしっかりと大きい掛け軸が飾っってあった背景と外側の壁紙の色が異なって見えるのだった。
「いやー、こりゃあちっとひどいなあ」と思い、業者に壁紙の張り替えを頼もうとも思ったのだけど、高いんだよねー、これが。
それでネットでのり付き壁紙を注文して、YouTubeで壁紙の貼り方とかを学習して、いざ実践に臨んだら、全然うまくできないんだな、これが。
それに私は左利きなので、YouTubeの映像を見ても、そのまま同じように右から左へ向けて貼ることができない。力の加減が分からないので、最初はびりびりと破いてしまい、再び壁紙の切り出しから始めなければならなかった。
とにかくプロの職人さんから見たら、ぶん殴られるような仕上がりにしかならなかったけど、注意深く観察しなければ、ぱっと見には、「そのひどさ」が分からないだろうし、というのは、普通お客さんが来て、床の間を見たら、「飾ってあるもの」に焦点を合わせるのであって、背景の壁紙の「貼られ方の良しあし」なんぞには意識がいかないと思うので、まあ、これはこれでいいかと思っている。
道具セットと合わせて15mで5000円ぐらいだった。そういうわけで、将来は、煙草のヤニで変色してしまった、床の間の周囲(四畳半)と居間(六畳)も自分でやっちゃおうと計画中であります。PR -
掛け軸が経年劣化してしまうのは、避けられない。それはそうなのだが、私の場合、所有しているのが500円から3000円の中古品ばかりなので、なかにはひどいシミつきのものも当然ながらある。
最近ヤフオクで500円で手にれた掛け軸がそうだった。
そこで「どうせ500円で買ったシロモノだし、いっちょ実験してみよー」ということで、「カビの根の奥に強力浸透 カビキラー 5分で根に効く」というラベルが貼ってある薬品を使ってみた。
掛け軸の裏側である。容器に移したカビキラー液に綿棒を浸し、ポンポンと液を置く感じで塗ってみた。
しばらく放置して乾くのを待つ。するとどうなっていたかというと、
こんな感じになっていた。広がった液の範囲が白い跡になっている。
布が貼ってある表側にもシミがあったので同じ要領で作業してみたが、500円で買ったのだから、まあ、許容範囲だよな的な仕上がりになった。今回は表も白っぽい明るい色をした生地だったので、カビキラーの液の広がりが遠目には目立たずに済んだのもよかった(でも絹には漂白剤は禁物だよね。紙部にはまあ有効かもってところだね)。
廉価で買ったシミ付き掛け軸(失敗しても残念度が低いよね)の「限定的補修」には多少使えるのではないかと感じた。
くれぐれも高価な掛け軸で実験しないようにお願いする。ほんとに私がやったように「シミの脱色が可能かどうか」興味のある方は実験用に廉価な掛け軸を買ってご自分でも実験してみるといいと思う。 -
本日7月3日、日曜日は、からっと晴れましたね。しかし,暑いのなんの。今日は部屋の中33℃ありましたよ、夕方までそれが下がらない。いまこれを書いている時でさえ部屋の中は31℃をさしている。扇風機を最大にして書いてますよ。
以前は植物にはまったく無縁な生活をしていましたが、父の残した庭の手入れなど始めて、同時に観葉植物なんぞにも手を出すようになりました。(観葉植物はもともと「風水計画」と題して玄関の模様替えを始めたときに手を出したシロモノで、いまじゃしっかりハマリまくってます。)
縁側の前に樹木がなく、日差しが強かったので、ネットでパラソルを買ってしつらえました。
椅子は親父が玄関前の駐車場スペースに出してよく座っていたもので、まあ、お盆も近いし、これにまた座ってもらえばいいかなと思ってますよ。
縁側のこっち側は6畳間の居間で、ここから写真を撮ったんですが、こうしてソファーに座って庭を眺めるのも、なんかすごくいいもんですよ。
ほんと猫の額のような庭ですが、今後もモダン化計画を続けていく予定です(ネットでデザインや方法、素材を研究中)。
p.s. 床の間の「盛り花」、もちろんちゃんと続けてますよ。掛け軸もいろいろ(ひと月に一枚ペースで)集めてます。 -
そもそもの始まりは、床の間を復活させるために掛け軸をネットで探し始めたからだけど、床の間の掛け軸を照らすためにスポット照明器具を取り付けたり、生け花用の花器をアマゾンで探したり、いろいろと以前ならまったく関心を持たなかったような領域に関心が生まれたのがいかにも奇妙だ。
その流れで、ネット検索をしていらた「お煎茶の話でもしましょうか」というブログを見つけて、このブログの管理人さん(お茶の先生)は定期的に床の間の掛け軸と生け花を写真で公開し続けていて、「こりゃあなかなかおもしろいことやってるなー」といたく刺激を受けた次第。
連休に入って、スーパーで切り花を売っているのが目に留まったので、160円という安さもあって、ほぼ初めて切り花というものを買って帰った。花の名前は・・・・・えーっと知らん。枝ものは例によって庭の樹から取ってきた。
とにかく無性に床の間の花を替えてみたくなったので、衝動買いしたのだった。
小原流の教科書を読むといろいろとルールが載っているけど、そういう定石はまったく無視して、好きなように生けてみた(それにその手の花材をそろえようと思ったら金かかりそうだしさ)。
スーパーで買って帰った花束の分量が多くて、花のいくつかを水盤上の仲間はずれにするのは忍びなかったので全部剣山にさし込んでしまった。
自分なりに好きなように生けて満足なら、今は自分流でまったくいいじゃないかと思う。そのうち定石を理解できるようになったら、また違った生け花もやるかもしれないけどさ。
掛け軸はヤフオクで1000円~3000円くらいの中古品をいくつか手に入れて、鶴の図柄のものと差し替えている。写真のは1000円で落札した掛け軸。本当は四季に合わせた図柄を掛け替えていくとらしいのだが、梅の木に鳥だよ(別にいいじゃないか)。
夏用の掛け軸をヤフオクで探しているのだが、貧乏人が手を出したくなる値段のものは出てないんだよねえ。そもそも掛け軸って伝統にしばられすぎて画題の範囲が狭いよね。もっと新境地でいろんな題材を日本画技法で書いて、商売人がこれを上手に売りさばけば、画家ももっとちゃんと食えるようになるんじゃないのかなとか思うんだけど、違う?
四季の四枚セットはアマゾンにも売っているけど、12か月の連作とか月ごとの風物絵画(2月の掛け軸とか11月の掛け軸とか、もっと区分けが細かいやつね)とかないよね。そういう企画もやってほしいよね。画商さんにはさ。
とりあえず、床の間の掛け軸を定期的に掛け替えて、生け花も定期的に生けていく、そういうことをやってみたいなと思っている(えー、こんなことにまったく無頓着だったオレだのに、パソコン改造ばかりやってた男なのに、人間て歳取ると「意外な引き出し」が開くもんなんだな。)。
p.s. ということで、床の間を生花で飾るという「新しい習慣」はなんとかずっと維持していきたいなあ。5月は以下の盛り花になった(時系列は左上から時計回りでみてください)。レンゲ草(左上)とバラ(右下)は自宅の庭に咲いていたもので、残りはスーパーで買ってきた切り花。枝物は庭から適当に切ってきて添えている。
今後は水盤もいろいろ取り替えて使ってみたいね。 -
去年の12月9日に突然父が亡くなってから、いろいろとバタバタと忙しい日々だった。母と(父の再婚相手なので私にとっては義母になるが)弟はすでに亡くなっており、それまで仏事のあれこれはもっぱら父がやっていたので、父が亡くなったあと、何をどうすればいいのか改めてネットなんぞで調べて勉強しなければならなかった。そういうわけで、今は一人暮らしで、三人の仏様の世話をすることになったのだった。
父はヘビースモーカーだったので、部屋の壁のクロスは長年のタバコのやにで変色している。現在は仕事の合間に(まあ、気が向くとだが)それを少しずつ「油汚れマジックリン」できれいにしている。写真を見ればやにがいかに家の壁を変色させるか分かるよね。
昭和の時代に家を建てたときに飾ってあった床の間の彩色山水の掛け軸は、それきり、新しいものに架け替えられることもなく、そこに何十年も吊られたままタバコのやにですすけはて、まるで油紙のような紙の色に変色していて、いままでそれに色がついていることさえ気が付かないでいた。
私は床の間を整理し、それまでそこにあった荷物を全部どけて、すすけた掛け軸を明るい色の掛け軸に取り換えたくなった。ちゃんとそこが床の間であることを意識したくなったのだった。
義母が亡くなったとき、もともと押し入れだった場所が仏壇になった。だからこの四畳半の部屋は仏間兼床の間なのである。私はそのころ地元を離れて暮らしていたので、戻って押し入れが仏壇に変わっているのを初めて見たときには驚嘆した。父が仏壇の世話をしていたころは、葬儀社からもらった巨大な額入りの写真が二つ鴨居の上に飾ってあったが、狭い四畳半にはどうにも大きさが不釣り合いでこの大きさのものが三つ鴨居の上にあるとなるとかなり「威圧感」があるなあと感じたので、L版のサイズに写真をダウンサイズして仏壇の横に飾り直している(これはPCとプリンタスキャナで自分で行った)。
掛け軸についてはなんの知識もないシロウトである。とにかく気持ちが晴れ晴れする絵をと思って鶴の掛け軸を手に入れて飾ってみると、ほんとに部屋がぱっと明るくなった。我が家は浄土真宗(真宗大谷派)である。ネットで調べると家庭では「南無阿弥陀仏」と書いた掛け軸を法事の時には掛けるらしいと知って、これも別途手に入れた。父はそういうことには無頓着だったが、お坊さんにお経をあげてもらう今年のお盆にはそれを掛けたいと思っている。
家財を整理していると、いままで意識したこともなかった、いろんな道具類が残されていたことに気づかされた。いくつかの花瓶がそうだった。青い色をした水盤と剣山もあった。
我が家で最初に亡くなったのは義母だった。父の状態が悪くなったとき、独り身で、かつ夜に仕事をしている私は、家を空けている間が不安で、結局実の母に助けを求めた。母が家で父の世話を焼き、父が亡くなって再び家を去った後、首の長い黒い花瓶に造花を刺して飾ってあったのが残されていた。「そうだ、これを床の間に飾ろう」そう思って置いてみた。
なかなかいいんじゃないだろうか。けれどこれはまったく奇妙な気分だったのだが、その花瓶と掛け軸を眺めていると、無性に自分自身でアレンジしたものを飾りたくなったのだった。それが以下の写真。
いままで知人のお見舞い用に花屋さんで花を買ったことはあったが、それは店員さんにみつくろってもらう「おまかせセット」だったし、生活の中で自分で生花に関心を持って花瓶に花を生けたことなんてなかったのだが、いまは100円ショップにすごい量の造花が陳列されていることを思い出し、これをいくつか買ってきて自分自身でも青い水盤と剣山で花を飾れるんじゃないかと思って、実際にやってみた(以下は掛け軸の風鎮を外して正面からもう一枚撮ってみたもの)。
あとになって生け花でネットを調べてみると、生け花にはちゃんと型があって、水盤と剣山をつかったこういう生け方は邪道であると知った(しかも水盤には実際には水は入っていないし)。そもそも造花と水盤と剣山でこんなことをする人がいないようだった(ネットにも写真がほぼない)。造花は花瓶にさすものだった。
写真を検索するとこの青い水盤を用いた生け花(「盛り花」というそうだ)がたくさん出てきたので、もしかしたらこの水盤は生け花教室で初心者に売っている品で、義母もそういう場所に通ったことがあったのではないかとふと考えた。
いずれにしろ、「花はきれいなものだな」と気が付いたのだった。だから、これからは生花店にも出かけて「花をめでる暮らし」を始めたいと思う。
表題に「なんちゃって」と付けたのはネットにはそういう題名をつけた「シロウトが生け花にチャレンジしました」という記事がわんさかあったので、それにあやかったのだった。いずれ生花を使って「邪道ではない生け花」で床の間を飾りたいものだ。
父はたくさんの庭木も残している。これもそういうことにまったく関心のなかった自分の悩みの種であるが、今後は「そういう世界」のことも勉強して、いまは荒れ放題の庭もおいおいきれいに整えていきたいと思っている。
南無阿弥陀仏。
P.S.
その後倉庫の中のダンポールの中味を整理していると小原流生け花の教科書が2冊みつかりました。「あ、やっぱり生け花教室に通っていたんだ」。とということで、庭にある草木で盛り花をやってみました。相変わらず我流ですが(4/23)。
生花を使った初めての盛り花です。