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BOUNDHEAD

セラミックガール
Perfume+中田ヤスタカ+MIKIKO=今まで見たことのない衝撃体験

という数式が成立したのは稀有の出来事で、このトライアングルを形成している三者それぞれが、それぞれの存在を抜きにしては「ブレイクスルー」を果たせなかったというのは、この「集合プロジェクト」に関わったそれぞれ三者がしみじみと感じていることだと思われる。

そういうわけで他のブロガー同様に私も、最近のダンスの傾向にとても反応しやすくなっていることは確かだ。私はヒップホップ系の、ということはアメリカ黒人系のダンスが、実はあまりすきではない。一時期日本のポピュラー系音楽に引っ付いてくるダンスは、そういう黒人系のダンスばかりだったので、ほんとうに食傷気味だった。

Perfumeの音楽とダンスは、ヒップホップ系でもなく、また日本のアイドル歌手やグループが伝統的に行ってきた歌謡曲系振り付けとも異なっている。私にはまったく新しい体験だった。料理の世界で言えば、素材の新しい組み合わせ方が、今まで味わったことのない新しい美味を生み出すような作用に似ている。そう今時、まったく新しくて、しかも極上においしい料理が生みだされたのだった。

当ブログでは、ときどきミュージカル映画の話もしてきたので、私がもともとまったくダンスに関心がない人間だったかといえば、もちろんそうではない。潜在的関心はあったのだが、これまで「どんなダンス」も私を魅了してはくれなかっただけの話だったのだ。(ただし、NHKが放送していた(注1)ローザンヌ国際バレエコンクールは好きで見ていた。同じ楽曲・振り付けが重なっているときは、踊っているバレリーナの卵たちを見くらべて、同じように踊っているように見えても、そのアピールしてくるものの差異が歴然としてとあることを感じて、「ああ、上手さ優雅さというものは、みな違うんだ」と思ったものだった。)

Perfumeの楽曲の中でも「セラミックガール」の振り付けは独特だ。あの腕のあげ方と角度をMIKIKO先生はどこから思いつき、あるいは「引用してきた」のだろう。「この格好、どこかで見たことがある」と私は思ったが、それが古代エジプト王朝の壁画からか、はたまたバリ島の踊りからなのか分からない。ただ、「そういう格好はどこかで見たことがある」としか言えない。でもそれは古い東洋的な(ただし極東系ではない)ダンスの所作とどこかで通低しているだろうと感じた。

セラミックガール
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DVD「Perfume First Tour 『GAME』」より。独特の東洋的所作をご堪能ください。

「よい振り付け」は「よい音楽」とともにあるということを改めて認識させてくれたのがPerfumeプロジェクトだった。

p.s.1 ちなみにPerfumeの「edge」という楽曲は、楽曲そのものが「民族音楽的」である。私にはアメリカインディアンの歌のように聞こえる。あの曲に太鼓を加え、「エイエイアイアイ、エイエイアイアイ」とインディアンの老呪術師の言霊を載せてみよう。あなたにも「edge」がインディアンの呪術歌に聞こえてくるハズである。

(注1) 「Prix de Lausanne Finals 2009 Part1」というふうに「Finals」という表記のあるものを順番に見ることをお勧めします。

p.s.2 銀魂第183話でperfumeの名が大連呼されていたが、あれは一体?

p.s.3 「セラミック・ガール」における「東洋的所作」については、エジプトから東南アジアにかけての図像を掲げてあるブログを見た。やっぱそうなんだと思った。で、「オレのぼやけた記憶のなかから呼びかけているイメージって、もしかしてこれ?」とふと思い出したのが、映画「ハムナプトラ2」の女剣士二人の戦いのシーン。で、実際You Tubeで見てみたんだけど、直接「セラミック・ガール」の振り付けと重なるような場面はなかった。でもあの黄金の仮面と衣装を身にまとって行われる剣劇シークエンスは言ってみれば、きらびやかな一種のダンスなんだな。オレには「ハムナプトラ2」で一番印象に残っている場面だしね。
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