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ダイソー・ザ・ゲーム・シリーズ9 『ピンボール SLAMTILT』 その1
ピンボールというのは昭和時代、大抵はデパートの最上階に設置されたゲームフロアに置いてあったので、年配の人ならば、やったことがあるという人がいっぱいいると思います。

直接「3次元の身体感覚を使って遊んだ」ことはないと言う人も、WindowsXPなどのPCにオマケで入っていたので、「2次元スクリーン上」でなら、やったことあるよという人もまた多いでしょう。

でも、Vista以降は、マイクロソフトはゲームをつけてくれなくなったので、2次元でもピンボール体験はないという人は若い世代には多いと思います。

今回採り上げるダイソーのゲーム『ピンボールSLAMTILT』ですが、これがXP対応を謳っておりながら、まともに動作しないシロモノだったという事実は、まったく話題にもなっていません。





私はこのソフトをまず最初にIBMのR40e(ノート型)に入れて動作するか試してみました。インストールはスムーズに終了したのですが、アイコンをクリックすると、画面がなんだかおかしい。こんな感じです。



右端上部にこんな画像があらわれて、音楽が流れて、長い長いイントロダクション・ムービーが続きます。Escキーを押して止めなければ、いつまでもイントロムービーを繰り返します。正確には、この幻のイントロが1回だけ流れてそのあと、画面が切り替わって登場する、ドラマや映画のエンドロールみたいな制作スタッフ紹介シークエンスがくどいのです。「こんなん、いらんくね?」と大抵の人は思うはずです。

こういう一連の紹介シークエンスを見たくなかったら、イントロが始まってもEscキーを押すとゲーム設定画面へ入れるようになるので、そこからは普通にボタンを選択し、遊ぶことができました。

以下は劣情レトロゲーム倶楽部さんがYouTubeに上げてる動画です。




しかし、あとではっきりとわかったのですが、最初に現れる画面は本当はこうでなければならなかったのです。




私はいろんな機種にXPを入れて試してみましたが、結局一台も上にあるような画像を正しくXP上で呼び出すことができませんでした。先へ進めないXP機の場合は、最初に掲げたあの見切れた映像のあとすぐにダンというような音を立てて、真っ黒画面になりフリーズしてしまうので、Ctrl+Alt+Delでタスクマネージャーを呼び出して、「タスクの終了」によって、フリーズ状態から復帰しなければなりませんでした。

実は上の画像はWindows10 64bit版に入れたある特定ホルダー内のアイコンをクリックして初めて得られたものです。(ちなみにWindows10自体はCDからは正常にインストールすることができませんが、裏技を使えばWindows10で遊べるので、この点については後述します。)

Windows10を使って取り出した「幻のイントロダクション」がこれです。




私は次に何台かのデスクトップ型PCにXPを入れて、動作するか試してみました。動作するマザーボードとしないマザーボードがあることが分かりました。

当時、このソフトを買って自宅のXPに入れたけど、「動作しないじゃん、なにこれ。でも100円だし、こういうクオリティなんだろうな、別にもういいわ」とピンボールで遊ぶのはやめちゃった人がたくさんいたと思います。

たかが100円の品ですし、この動作しないダイソーゲームをネットでけなす意欲までは湧かない人が多かったのでしょうか。話題にもされず無視され忘れられて、こうして20年が経過するわけです。

あきらめきれない私は、次に、グラボをかませたら、どうなるか試してみました。グラボというとNvidia系とAMD系がありますが、手元にあるNvidiaのGeforceシリーズはすべてダメでした。グラボなしでは動作したマザーボードもGeforceを入れるとゲームが正しく動作しません。

しかしAMDのHDシリーズだと起動して遊べることが分かったのです。私の場合、マザーボードの種類を問わず、このゲームを動作させることのできた、手元にあるグラボはAMD系のATI Radeon HD2400PROでした。



私は写真の三つのグラボを試してみました。左上のファンレスタイプがGIGABYTE製、右上のファン付タイプがASUS製、下のファンレスタイプがSAPPHIRE製のHD2400Proです(このタイプは他の二つと異なり、ビデオを信号を出すS端子がありません。デバイスマネージャー上ではHD2400ProではなくHD2400Seriesと表示されます)。

HD2400Proならばどこの会社のグラボでもOKというわけではなく、ファン付きタイプのASUSグラボをつけると動作しませんでした。(補足:23年4月に「余ったHD2400PROファンタイプ」で再度ドライバー導入からやり直してみたら、ちゃんと百円ソフトが動作しました。)



Nvidia(Geforce)にしろAMD(Radeon)にしろ、今やXP上ではネットでドライバーのダウンロードサイトにアクセスできないので、パッケージのインストーラーが自動的にネットアクセスして足りない要素をダウンロードしてさらにインストールというような方式ができなくなっています。

私は、Windows10でダウンロードサイトにアクセスし、XP用のドライバーパッケージをダウンロードしたものを使いました。そして、グラフィックドライバのみ入れました。ただしHD2400ProのXP用パッケージは高速モードでもほかの場合のように「アクセス不可による停滞」(これはネットに接続している状態だと起きるので、初めから無接続状態であればよかっただけの話でした)をおこさずに入りました。


ほかのダイソーの100円ソフトの動作も合わせてチェックしてみたのですが、Geforce系のグラボではダイソーのゲームはちゃんと動作しないということが分かってきました。たとえば『スキーゲーム』です。




Geforceグラボでは、こんな風に紙飛行機が飛んでいるような画像になってしまいます。けれども本来は以下のような画像を表示しなければならないのです。



さらに以下はTRAINING MODE-STAGE1の画像です。





世の中には膨大な種類のノート型パソコンとデスクトップ型のパソコンとグラフィックボードがありますから、どの機種だと動作するのかは実際にインストールしてアイコンをクリックしてみるまで分かりません。

しかし、もしあなたがXPの入ったデスクトップ型PCにダイソーのゲームを入れてみたいと思うのなら、グラボなしであれやこれやのソフトが動作すれば幸いだし、もし動作しなかったとすれば、たとえばXP専用グラボとして(AMDのダウンロードサイトには10用のパッケージがなく8までになっています)、HD2400Proを手に入れて導入すれば幅広く遊べる可能性はかなり高まります。


次回に続く






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