前回、Windows10で遊ぶことができる「ピンボール(SLAMTILT)」はダイソー版ではないと書きました。
プログラム言語を読むことも、ましてや書くこともできないのに、なぜそう推測することになったのかについて種明かしをしましょう。
実は、伏線(ヒント)は、すでに前回に注意目したホルダーの名前が「ibm」と書かれている箇所に現れていました。
前回は、CDを開いて、そのなかにいくつかホルダーが入っている図を見ましたが、今回は、そのなかのREADMEという形で添付されていたテキストを見てみましょう。
普通、こういうソフト類についているREADMEテキストは「ユーザー向け」に、そして日本語版であれば日本語で書かれているはずですが、なんと英語で書かれています。以下、冒頭部です。
プログラム言語を読むことも、ましてや書くこともできないのに、なぜそう推測することになったのかについて種明かしをしましょう。
実は、伏線(ヒント)は、すでに前回に注意目したホルダーの名前が「ibm」と書かれている箇所に現れていました。
前回は、CDを開いて、そのなかにいくつかホルダーが入っている図を見ましたが、今回は、そのなかのREADMEという形で添付されていたテキストを見てみましょう。
普通、こういうソフト類についているREADMEテキストは「ユーザー向け」に、そして日本語版であれば日本語で書かれているはずですが、なんと英語で書かれています。以下、冒頭部です。
Here's the latest version of Slamtilt, with one IBM compatible version and one
NEC version. There is no graphical difference between them (but there will be
in the final version). Since I didn't have access to an NEC keyboard I had to
guess what keys to detect in the NEC version... I would like some feedback on
how the key settings worked out. If any keys at all work like they should :)
あきらかにユーザー向けの内容ではありません。
これはダイソーが自身の店で100円ゲームを販売するために契約した日本側窓口COCONUTS JAPAN担当者あてに、ゲーム制作者のダニエルさんから出されたメールに違いありません。
英文メールにおいて、このSLAMTILTの開発者は、「IBM対応版とNEC対応版の二種類を作ったので送ります」と言う趣旨の話を書いています。
その英文にはIBM対応版、つまり英語キーボード対応版とNEC対応版、つまり日本語キーボード版のふたつのうち、自分は日本語キーボードには触っていない(動作確認作業をしていない)ので、情報が欲しい旨の内容書かれています。
英文引用は省きますが、上記英文の後に、「IBM版ではちゃんと動作することを自分で確認できているが、NEC版では動作確認していない」ということが書かれてありました。こういう文もありました。
Oki... just don't confuse the IBM and NEC versions of Slamtilt.exe
沖さん…スラムティルトのIBM版とNEC版を取り違えないでくださいよ。
くらいの意味でしょう。
このREADMEは「私信」なのです。その「私的なやりとり」のうちダニエルさんの文だけが、最終的にCDのパッケージに「README」として加えられて、「そのこと(「このREADMEって変じゃね?という疑問)を結局周囲の誰もチェックしないまま」、ダイソーに納品され、結局パッケージ化されて日本全国のダイソーに配送されて、売り出されたのだということです。
とはいえ、「このある意味、テキトーな仕事(XP版で正しく表示、動作するかのチェックをしなかった、あるいは納期を守るためにすっとばした?)をCOCONUTS JAPANの担当者がしてくれたおかげ」で、20年後にこんなふうにダイソーの100円ゲームが店に商品として並ぶまでに起きていた担当者同士の仕事の一端を垣間見ることができました。
彼らが普通の仕事をしていたら、ダイソー版SLAMTILTは「まぼろしのイントロダクション」現象など起こさずに普通の100円ゲームとして、その4種類のピンボールゲームの内容中心の話がネット上で、思い出話として好事家の話題にされただけでしょう。
それはそれで「正常な一つの世界線」ではあったでしょうが、私はこの「へんてこな世界線の出現」が今となっては面白くて、こうして3回も話題に取り上げてしまいました。
もし、あなたがダイソーのピンボールのパッケージを持っているか、あるいは今後手に入れるようなことがあるなら、READMEも目を通してみてください。そしてヘビーメタルな(BGMもヘビーメタル系曲調ですよ)ピンボールゲームでしばし、遊んでみてください。
P.S.
あきらかにユーザー向けの内容ではありません。
これはダイソーが自身の店で100円ゲームを販売するために契約した日本側窓口COCONUTS JAPAN担当者あてに、ゲーム制作者のダニエルさんから出されたメールに違いありません。
英文メールにおいて、このSLAMTILTの開発者は、「IBM対応版とNEC対応版の二種類を作ったので送ります」と言う趣旨の話を書いています。
その英文にはIBM対応版、つまり英語キーボード対応版とNEC対応版、つまり日本語キーボード版のふたつのうち、自分は日本語キーボードには触っていない(動作確認作業をしていない)ので、情報が欲しい旨の内容書かれています。
英文引用は省きますが、上記英文の後に、「IBM版ではちゃんと動作することを自分で確認できているが、NEC版では動作確認していない」ということが書かれてありました。こういう文もありました。
Oki... just don't confuse the IBM and NEC versions of Slamtilt.exe
沖さん…スラムティルトのIBM版とNEC版を取り違えないでくださいよ。
くらいの意味でしょう。
このREADMEは「私信」なのです。その「私的なやりとり」のうちダニエルさんの文だけが、最終的にCDのパッケージに「README」として加えられて、「そのこと(「このREADMEって変じゃね?という疑問)を結局周囲の誰もチェックしないまま」、ダイソーに納品され、結局パッケージ化されて日本全国のダイソーに配送されて、売り出されたのだということです。
とはいえ、「このある意味、テキトーな仕事(XP版で正しく表示、動作するかのチェックをしなかった、あるいは納期を守るためにすっとばした?)をCOCONUTS JAPANの担当者がしてくれたおかげ」で、20年後にこんなふうにダイソーの100円ゲームが店に商品として並ぶまでに起きていた担当者同士の仕事の一端を垣間見ることができました。
彼らが普通の仕事をしていたら、ダイソー版SLAMTILTは「まぼろしのイントロダクション」現象など起こさずに普通の100円ゲームとして、その4種類のピンボールゲームの内容中心の話がネット上で、思い出話として好事家の話題にされただけでしょう。
それはそれで「正常な一つの世界線」ではあったでしょうが、私はこの「へんてこな世界線の出現」が今となっては面白くて、こうして3回も話題に取り上げてしまいました。
もし、あなたがダイソーのピンボールのパッケージを持っているか、あるいは今後手に入れるようなことがあるなら、READMEも目を通してみてください。そしてヘビーメタルな(BGMもヘビーメタル系曲調ですよ)ピンボールゲームでしばし、遊んでみてください。
P.S.
そうそう、忘れるところでした。Windows10上でこのピンボールをやろうとすると、右のshiftキーが動作しないという問題ですが、これも今回の記事で原因が分かりました。
そうです、ダニエルさんがメール内で言及していたIBM版つまり英語キーボード対応版だからです。そいうわけで、左右のshiftキーを使ってゲームがやりたい人は、キーボードを英語版にすればOKです。
最近のWindows10のインストール環境では、日本語版と別にもう一種類別の言語のキーボートを入れますか、と聞いてくるので、それに従って英語版キーボードを導入している人は、画面右下のキーボード切り替えアイコンをクリックするだけで、すぐに遊べるようになります。
日本語キーボードしか入れていない人は、ネットなどで調べてみて導入するといいでしょう。以下、参考
再起動せずに日本語・英語のキーボード設定を切り替える方法
日本側の担当者が起動しないはずのIBM版プログラムもCDに同梱してくれたおかげで、今、われわれは、Windows10でSLAMTILTというピンボールゲームを「まぼろしのイントロダクション」とともに楽しむことができます。「当時のやっつけ仕事」が未来に「意義を持つようになる」なんて、人の成す事柄って、塞翁が馬ですよねえ。
そうです、ダニエルさんがメール内で言及していたIBM版つまり英語キーボード対応版だからです。そいうわけで、左右のshiftキーを使ってゲームがやりたい人は、キーボードを英語版にすればOKです。
最近のWindows10のインストール環境では、日本語版と別にもう一種類別の言語のキーボートを入れますか、と聞いてくるので、それに従って英語版キーボードを導入している人は、画面右下のキーボード切り替えアイコンをクリックするだけで、すぐに遊べるようになります。
日本語キーボードしか入れていない人は、ネットなどで調べてみて導入するといいでしょう。以下、参考
再起動せずに日本語・英語のキーボード設定を切り替える方法
日本側の担当者が起動しないはずのIBM版プログラムもCDに同梱してくれたおかげで、今、われわれは、Windows10でSLAMTILTというピンボールゲームを「まぼろしのイントロダクション」とともに楽しむことができます。「当時のやっつけ仕事」が未来に「意義を持つようになる」なんて、人の成す事柄って、塞翁が馬ですよねえ。
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