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「マリア様がみてる」とアヴェ・マリア
ということで、「マリア様がみてる」シリーズ鑑賞後の後日談の続きなのだった。

「マリア様がみてる」1期の最終回で、ロサ・カニーナと呼ばれる蟹名静が「アヴェ・マリアはお好き?」と藤堂志摩子にたずねるシーンがある。「ええ、グノーのは特に」と藤堂志摩子が答えると、蟹江静は「では披露するわ」と言って、そのグノーのアヴェ・マリアを歌い始めるのである。

福沢祐巳が3期で歌った「マリア様のこころ」は素朴な歌だが、グノーの「アヴェ・マリア」はクラッシックの声楽家が歌う難しい歌である。

そういうわけで、このアニメからの連想で、昔CDを買って聴いていたスラヴァの「アヴェ・マリア集」を思い出し、久々に聴きなおしているところなのだった。いやー、やっぱいいわ、この「声の持つ質感」・・・・・つまり楽器で言えば「音色」にあたるような部分が。

スラヴァは昔「オッティモ」(ベスト盤)を最初に買い、後で「アヴェ・マリア」と「ヴォカリーズ」を同時に手に入れた。

アヴェ・マリア スラヴァ
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01アヴェ・マリア(カッチーニ) 
02アヴェ・マリア(ヴェルディ)
03アヴェ・マリア(サン・サーンス)
04アヴェ・マリア(バッハ/グノー)
05アヴェ・マリア(ブルックナー)
06アヴェ・マリア(トスティ)
07アヴェ・マリア(ストラヴィンスキー)
08アヴェ・マリア(シューベルト)
09アヴェ・マリア(リスト)
10アヴェ・マリア~コイ・ア・カペラ(ブルックナー)
11アヴェ・マリア(ビゼー)
12アヴェ・マリア(モーツアルト) 



クラッシック畑の歌手の歌はほとんど聴かない、というかシンフォニーとかも普段はほとんど聴かないオレだが、「スラヴァの声」は好きだな。男が女の声域で歌うというところも含めてね。彼は「もののけ姫」を歌った米良美一と同じカウンター・テナーの歌手なのだった。

で、スラヴァのCDを聴きながら、そうだ、大貫妙子の声で「アヴェ・マリア」を歌わせたら面白いのにとふと思ったのだった。たとえばシューベルトの「アヴェ・マリア」を歌うスラヴァのオケに大貫妙子の声を置き換えてみる。

「あ、いいじゃん、これ・・・・」

「ってか、大貫妙子って昔、どこかでアヴェ・マリアを歌ってなかったっけ?」と思ったので、検索してみたら、2月に公開される「人間失格」でアヴェ・マリアを歌うって話じゃないか。「あれ? じゃ歌ったことないの・・・・・。おかしーなー」と思った。オレの錯覚はいったいどこから来たのか。

「大貫妙子にアヴェ・マリアを歌わせたらどうか」なんてオレと同じことを考えたプロデューサーとかがいたんだな、やっぱ考えるよな、大貫妙子ファンなら・・・・・、などと思ったのだった。

で、実際に大貫妙子声のシューベルト・アヴェ・マリアが「人間失格」の公式サイト上で聴けるとの情報があったので、聴いてみた。

すると彼女は低い音域で歌っていた。オレが仮想空間で----てかオレのアタマん中だけど----鳴らしたヴァージョンでは、高い音域で----しかもオケはスラヴァのもの----鳴っていたので、「うーん、オレの空想していたのと違うな」と感じてしまった。

サウンドトラックを発売するときは、ぜひ高音域バージョン(壮大なコーラスアレンジ付)もオマケで入れてほしいと切に願うオレだった。

p.s.1  「男が女の声域で歌う」に関しては、映画「カストラート」ってのがあった(「やっぱ書いたか」と今アナタ思いましたネ。)ということでDVD借りてひさびさに見なおしてみようと思ったら、レンタル化されてないじゃん。VHSはもはやどこにも置いていないので、「カストラート」は「オレには簡単に見ることのできない映画部門」に入ってしまった(販売用DVDは出ていたようだが)。でもこの映画初めて見たときは、ぶっとんだなやっぱり。声楽の箇所は合成なんだよね、これ。

p.s.2  「男が女の声域で歌う」に関してさらに補足。それはボーイソプラノの世界。リベラっていうプロの少年合唱団がいるんだね。なんでもNHKのドラマの主題歌なんかも歌っていたようだけど、オレ、テレビドラマとか見ないから、最近までほんと知らなかった。カッチーニのアヴェ・マリアとかとてもいいと思うけど、でも一方で何かちょっとセンチメンタルすぎるような感じがする。彼らの歌を聴いて感じる感情は、スラヴァの歌から感じるものとはまったく違う。リベラの歌から喚起される中心感情は、何か「薄幸な感じ」、それを無理やり聴かされているようないたたまれなさがある。アヴェ・マリアを聴いて「ありがたさ」(いや違うか、とにかく「うっとりさせられるような何か」だ)よりも「薄幸」を連想するとしたら、それはその歌い方が(編曲、演奏、演出の仕方を含めて)間違った表現になっているからではないだろうか。でもこれはきっと、この合唱団を率いている「大人」、つまりプロデュース担当者のセンスの問題なのだろうと思う。こっちのアヴェ・マリアもいいよ。

p.s.3  「カストラート」に関連して言っておきたかったのが、映画「フィフス・エレメント」のDiva Dance。この歌手の背中側から客席を撮ったショットってもしかしたら、「カストラート」からの引用ではなかろうか。こういうのを映画の世界ではオマージュとか言うよね。

p.s.4  「シンフォニーとかも普段はほとんど聴かないオレ」だが、アニメ版「のだめカンタービレ」はしっかり見てるぜ。なんか「野田恵」ってさ、今GYAOでやってるアニメ、「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」のヒロイン蜷川あむろに似てね?

p.s.5  日本には大昔から短歌の世界で「本歌取り」という伝統があった。オレがここで「引用」というときは、まさに「本歌取り」「オマージュ」としての意味で使っている、って、こういう説明は読者にとってはすでに蛇足かな。

p.s.6  「安部マリア~、ボクの同級生~」とかシューベルト・バージョンの曲でどうしても歌ってしまうオレ。どうか不謹慎だとか思わないでね。そう歌うたんびに「やっぱオレもオヤジギャク言って自分で受けてるような切ないおっさんのひとりなんだな」って思うので。つまりひとしきり「自己笑い」したあと、「あー、えーと・・・・・」という感じでしゅんとなる。でも「安部マリア」って名前の日本人あるいは日系人は必ずいるとオレは信じている。

p.s.7   最近、大貫妙子の84年の3月20日に放送されたNHK-FMのスタジオライブの録音を聞きなおしてみた。このスタジオライブにドラムで参加している鈴木さえ子は、鈴木慶一と1月に結婚したばかりで、なんと大貫妙子はこの二人のために教会で賛美歌を歌ったとMCで語っていた。

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