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Posted by バウンドヘッド - 2009.05.13,Wed
第1回『CDショップ大賞』、相対性理論の『シフォン主義』

というネット記事に出会って「ええっ」と思った。相対性理論って(注1)「地獄先生」くらいしか知らなかった。以前「え、地獄先生?」・・・・・「そういえば、地獄少女とか地獄小僧とかあったよな」と思い、実際にネット上で試聴してみたら、「かなりヤバイ雰囲気を醸す萌えアニメ系ボイス楽曲」だった。このボイスで「せんせえー、せんせえー」はないでしょう(ただし、歌詞を「リアルモード」で受け止める----つまり「真に受ける」----現役女子高校生には受けはいいようだ)。さらに「学級崩壊」に至っては、もはや完全なる反則ボイス=ご禁制ボイス・モード。このボイスは、「心臓の位置にある感情体」ではなく、「もっと下に位置する感情体」に矢を放ってこようとするようなヤバイしろものだった。私の場合、アニソンは基本的に嫌いではない。ていうか、声優が歌う何かのアニメのサントラだったら、そしてそれが私好みの、かなりキテル傑作アニメだったら、「即買い」に走ってしまったかもしれない。

001.jpg















「地獄先生」所収の『ハイファイ新書』。絵はボーカ
ルのやくしまるえつこが描いたものらしいです。

で、話題の「シフォン主義」を聴いてみた。ボイスは「地獄先生」よりもヘタウマ的ナゲヤリな感じだった。これはねらってそのように歌っているのだろう。ボーカル担当のやくしまるえつこは「声優的美声」の持ち主である。だから美声の持ち主であるアニメの声優さんたちの中には、このような歌声で----つまり時にハイファイ新書的ご禁制ボイス・モードを使い、また別の時にはシフォン主義的つっぱなしボイス・モードを使って----歌える人が結構いると思う。

002.jpg















「LOVEずっきゅん」所収の『シフォン主義』

アマゾンやYou Tubeでコメントなんかも読んでみた。椎名林檎、ジッタリンジンとかいう比較ワードも出てきたが、私がバンドサウンド的に比較していた人のなかではバービーボーイズっぽいというのが、もっとも自分にはしっくりきた。「あ、ほんとだ、確かにそんな感じだ」と。(今なら5/17までGyaoで86年に行われたバービーボーイズのライブを見ることができる。)ちなみに頭の中で「地獄先生」のボーカル・トラックをコンタ声に差し替えて聴いてみた。不思議にハマる感じに驚くオレだった。

天才いまみちともたか率いるバービーボーイズである。ギター演奏、作詞作曲編曲をしていたバービーボーイズにおけるいまみちともたか的位置に相当する人物が相対性理論にもいるハズである。いまみちともたかは詞のおもしろさでもかつてよく雑誌なんかで取り上げられていた。だから両者はとてもとてもよく似ている。相対性理論の歌詞はバービーのものよりも、もっと韻と掛詞(というよりダジャレだな)に満ち満ちていて面白い。「元素紀行」という曲はNHKのみんなの歌でも流せそう。言葉の持つ音韻の結びつき、(注2)聴いた感じの面白さに反応するのは、小さい子供たちが好むセンスである。まあロックに変な歌詞というのは、実はそうめずらしいことではないけれど、この手の歌は普通「あまり表に出てこない」ことが多いので。

いまみちともたかがコンタ、杏子というグッドボイスを得て才能をいかんなく発揮したようなことを、相対性理論のベーシスト「真部脩一」は「やくしまるえつこ」というグッドボイスを得て行っているということなのだろう。

相対性理論は、楽曲のなかに、ご禁制ボイスとナンセンスな音節の結びつきが繰り出す音韻効果を持ち込むことで、歌にメッセージ(言葉の意味)を込めるのではなく、「抽出された母音や子音の結びつきがもたらすもの自体」に「未知の感覚的メッセージ」があるということを教えてくれるバンドなのだった。だから歌詞は「いわゆる歌詞」ではなく、むしろ「詩」に近いものだと受け取るべきだと思われる。「新しいことをやっている」という意味でもお勧めバンドのひとつであることは間違いない。

おそるべきことに、You Tube上で「シフォン主義」も「ハイファイ新書」も全曲聴けてしまう。なので私は「買い」に走る前にYou Tube音源で「シフォン主義」と「ハイファイ新書」のCD-Rを作ってしまいました。ということで今、そのCD-R「ハイファイ新書」を聴きながら書かせてもらいました。 

(注1) アニメ版地獄先生というものがあったこと最近知りました。

(注2)最近「銀魂」というアニメを見たのだが、ここに出てくる言葉じり遊びが、まさに相対性理論的言葉遊び。特にアイドル歌手寺門通のエピソード。やっぱ相対性理論的音楽展開は、漫画・アニメ的世界の先行的展開----言葉遊びにしろ、声優が歌う意味不明な歌詞のアニソンなどなど----があってこそという前提を抜きにしては考えられないのではないだろーか。銀魂DVD vol.3の神楽ちゃんの「習うよりなめろ」は良かった。あの神楽ちゃんボイス(釘宮理恵)で言われると特に・・・・・。昔、どこかで聞いた、

「おぼれる者は笑うと怒る」

以来のヒットだったような気がする。

p.s.1 銀魂ファーストシーズンvol.1猿飛あやめ(さっちゃん)登場シーンで(その他の巻でも数度)、クッキンアイドルのダンス教師カルメン後藤のテーマのような曲が流れたが、あれはいったいなんだったのだろうか。

p.s.2 にしても、オレ、神楽ちゃんキャラ、声含めて、ていうか、あの声だからこそ、大好きアル。

p.s.3 最近Gyaoでやってる「MEZZO」というアニメ、声優を担当している広川太一郎の言葉じり遊び、すなわちダジャレがあまりにも強烈で、「この絵に合わない浮いた感じってなんなんだろーか」と思ってしまった。でも、もはや「芸」の領域に達しているので、この芸に聞き入っているオレもいるのが、なんだか複雑ではあるのだった。広川さん、去年亡くなっちゃったんですね。

p.s.4 ネット上における「相対性理論」試聴関連で、リスナーから対照キーワードとしてよく名前が挙げられているのが椎名林檎。で、彼女の新曲「ありあまる富」でギターを弾いているのが、なんと「いまみちともたか」ではないですか。椎名林檎って昔クラッシック・バレエやってたんですね。なんかいろいろと面白い。というのは、気がつくとオレ、このブログで「バレエ経験者にまつわる話」が----もちろん前面にはバレエの話は少しも出てこないですが----多いような感じなんで。
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一応ロックファンですが、でも実は70年代のアコギものLPもよく家で聴いてます。邦楽だと日暮しの『ありふれた出来事』、洋楽だとアメリカの『名前のない馬』が、私のイチオシ・アルバムです。
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