"隠れた名曲"カテゴリーの記事一覧
-
アニメspy×familyが大ヒットして、今年10月には第3期が放送される予定とか。
私もつい調子に乗って、自分の動画にてアーニャ・オマージュをしてしまいましたが、この冬期のアニメで別口の「血のつながらない者同士が家族になっていく物語」をやってまして、「うーん、やっぱ絶対spy×familyと較べちゃうよなあ」と思いながら、Netflixで見始めたら、ことのほか面白いじゃないか。そうです、「Buddy Daddies」であります。
このアニメのエンディングテーマが名曲なんです。私、歌を聴くとき基本歌詞をちゃんと聴かずに聴き始めて、楽曲そのものが気に入ったら、歌詞にも関心を示すタイプのリスナーです。
歌声の質、トーンも、意味を把握せずに母音の連なりとして耳に入ってくるものが楽曲全体として耳に入ってくるとき、歌詞、というより、その言葉が「発音」されたときに、母音とメロディの連結が違和感を感じさせる歌、つまり歌詞が音像に埋まっていない曲はやっぱりよくないんだと思いますよ。
そういうふうに歌詞の意味を把握せずに声も楽器の一部として、歌声も楽器構成の一部として「曲全体」として聴いても、よい音楽であれば、聴き手は感動するものですよね。日本人の洋楽の受容態度がそうでしたしね。あるリズムに乗って鳴らされる和音が、人の感情に意味を想起させずに影響するのが音楽ですからねえ。
「DURDN」の「My Plan」は、そういう楽曲の仕上がりそのものが、全体として人を感動させる質を持っていて、私久々にエンデングテーマを飛ばさずに毎回聴いてます。OPやEDを飛ばすとか、そういう「振る舞い」をしてしまうNetflixの視聴者は多いと思います。歌が平凡だったら、やっぱ省略モードで、「物語の続き自体」に気持ちがいくんです。曲がよかったら、「これは聴かなくちゃ。で物語へ行こう」と思っちゃいますよね。
なんか後頭部からぼわーっと頭が抜けていくような感覚に襲われる瞬間があるんですよ、この曲って。
フルバージョン
ダーダンの詳細については、以下を参照
音楽ナタリー
参照先の記事を読んでもらうと分かる通り、男二人女一人の三人でやってるユニットだそうです。
で、なんとこの曲のボーカルをしているのがBakuさん。韓国人です。向こうで兵役に就くまでは日本語はしゃべれず、兵隊やりながら日本語の勉強始めて、結局、いろんな縁が重なって日本に移住してミュージシャンになったという話は面白いですねえ。
本記事の冒頭で「血のつながらない者同士が家族になっていく物語」と書きましたが、思い出してみると、私、そういうモチーフ〈も〉内包しているアニメが結構好きなんだなってことを再認識させられました。
当ブログでもその手のアニメに言及してるんですよね。
まずは「ウィッチブレイド」
それから「エルゴプラクシー」
そしてアーニャ・オマージュの動画にも引用した「小林さんちのメイドラゴン」
「spy×family」と「ウィッチブレイド」で家族になる女の子は「人間」ですが、「エルゴプラクシー」ではロボット少女(愛玩用オートレイブ)ですし、「小林さんちのメイドドラゴン」では、子供のドラゴンです。
もう、日本の漫画・アニメ制作者たちって、どこまで「先走っていく」のだろうと思うくらいに〈彼ら〉は「異質なものを結ぶ衝動」を抱えていますよね。
21世紀に「炎の舌」を使って、「ある衝動」を世界に提示している人々は、「そういう業界」にいる人々であって、決して旧来の古代や中世以来の宗教の伝統の末端にいて組織力拡大運動に邁進している人々ではないってことでしょうねえ。
P.S. ということで本記事書きながら、一方でその日は「ドーリスライ、ドーリスライ」という言葉が頻繁に頭に浮かぶ日だったのです。「なんだ、ドーリスライって? なにかの洋画かアニメの登場人物だろうか?」と思いながらほっておいたのだが、結局ドーリスライが止まらない。本記事を書き終えて買い物に車で出かけたのが、運転中もやっぱり「ドーリスライ」という言葉が湧き上がってくる。
しかたなく家に帰ってから検索したら、「神曲奏界ポリフォニカ」の登場キャラクターだった。正確にはドーリスラエ。で、「あ、あの少女と同化した精霊さんか」と思い出した。
「神曲奏界ポリフォニカ」は私のお気に入り作品だったが、さすがにドーリスラエは忘れていたのだった。
けれども、実はこのアニメ(1期)のエンディングテーマが大好きで、今でも定期的に無性に聴きたくなるので(その時はいつもリピート再生モードで)、よく聴いている。この曲も「頭がぼあっと広がっていく感覚のする名曲」だ。今回の投稿の後日談ということで、ご紹介いたします。
concordia(コンコルディア) kukui
P.S.2 あ、あんずのクチパク映像(「ごはん」という決めぜりふ)で引用した「ヒナまつり」も今回のテーマに沿ったアニメだった。〈彼女〉の場合、戦闘マシンとして育てられた異世界人です。
PR -
やっと暖かくなってきましたねえ。
ブログのほうは、「これは書いておきたい」ということも特に思い浮かばなくて、かなり時間があいちゃいましたね。なので、更新記事のつなぎに一本投下しておこうと思います。
私、ギタリストとしての才能はないんですが、ジョー・パスの「Night and Day」を一生懸命練習していた時期がありました。
ジャズ系のソロギターっていうと、ジャズ愛好者ではない(つまりソッチ系にはあまり詳しくない)自分にはジョー・パス以外ほとんど思い浮かばないんですが(それでもバンドでやってる人たちはある程度は知ってますが)、かつてアマゾン・ミュージックでたまたま出会って気に入ったギタリストにジョナサン・クライスバーグって人がいて(アマゾン・ミュージックはクレイズバーグとカタカナ化していてますが、間違いですかね?)、「ONE」というアルバムのしょっぱなの曲がいたく気に入りました。
「Canto De Ossanha」って曲です。
「Canto De Ossanha」はブラジルでは国民的名曲扱いされているって話を、あとで調べて知りました。日本語のウェブ上ではこのポルトガル語を「オサーニャの歌」と訳して紹介している記事に一度出会ったのみで、日本語で得られる情報は少ないです。
英語では「Chant Of Ossanha」と表記しているものにも出会ったので、まさに「オサーニャの歌」ですね。オリジナルもYouTubeで聴けますので、興味のある方はさらに聴いてみるといいです。
ジョナサン・クライスバーグもYouTubeで活動しています。ジョナサン・クライスバーグは「カント・ヂ・オサーニャ」と発音してましたね。
ひさびさ、クライスバーグアレンジの「オサーニャの歌」はコピーしてみたくなった曲です。
うれしいことにYouTubeには譜面付きの教則動画まであります。
ちなみにジョー・パスの「Night and Day」の教則動画も同じシリーズのなかにありますよ。
さて、近況です。
シュタイナー関連動画の方は、最後のアップロード以来、「抹茶ラテのクチパク化を新たなチャレンジ目標」に掲げて自宅であれこれ試みをやってきて、一応自分なりの「これでいいんじゃないか」というものは出来たんですけど、「だからと言ってクチパクが何よ?」という思いもありまして、「目標クリア」できた時点で、新たな動画作成自体への意欲が半減して、ほんとある意味、次回作の予定も何も思い浮かばずにぼんやり過ごしてきた2月、3月でした。
D-IDというサイトが個人の写真と音声をアップロードすれば、勝手にクチパク動画を作成してくれるという情報に出会って、それではということで抹茶ラテのイラストイメージをアップしてみたんですが、このAIは「イラスト絵対応」ではなく、人の肖像写真じゃないとダメでした。
自分の顔写真をアップして投稿動画で使ったAI Talk3の音声と合わせてみたら、ちゃんとクチパク(しかもちゃんとリップシンクする)&まばたきする動画が作れました。でも、そんな動画、自分自身で顔出してしゃべれば済むだけの話で「世界的需要」があるのかなと、疑問ではあります。
そうではなく、D-IDが、顔写真ではなく、2D系3D系さまざまな顔の絵を簡単にクチパク化させてくれるサイトだったなら、ピクシブとかに絵を投稿している連中は、きっと大喜びするんじゃないかと思いますよ。
自分もイラスト動画作成が「完全なるリップシンクモード」で可能になるような進化をD-IDが果たしてくれたなら、その時は利用を考えてもいいかなと思ってます。
当ブログでも紹介したあんずの「ごはん」GIFは動画本編では母音の口の形にリップシンクさせて作成したものですが、ああいうタイプのものを長い時間に渡っていちいち「手動」で作っていたら、それだけでヘトヘトになることは分かってます。だからコスト思考の上に成り立っている日本のアニメの場合、リップシンクさせていませんよね。岡田斗司夫氏によると、そこが海外のアニメと日本のアニメの違いだということです。米国が日本のアニメ会社に発注するとリップシンクを要求する、とYouTubeで語っていましたね。
D-IDに限らずとも、きっと世界のどこかにそういう系統の、イラスト系2D画像を自動的にリップシンク化するウェブAIも出現すると思うので、気長く待っていよーっと。 -
YouTubeにはChillhop Musicという音楽専門チャンネルがあるんですよ。
ちょっと前に「動画に使われる絵に日本趣味が入っている上質の音楽チャンネル」として日本のポータルサイトにも記事が紹介されたことがあるので、「ああ、その記事、見たよ」という方もいらっしゃるかもしれません。
絵の特定部分が変化するので、「妖怪ウォッチ」のジバニャンなら、大喜びしそうな「静止画」が特徴です。
Chillhop Musicでは、いろんなアーティストの楽曲を集約して1時間前後のコンテンツに編集して公開しています。
音楽系と言っても、こういうチャンネルの場合、流し聴き的な接し方にどうしてもなりがちで、私も基本ずっとそういう聴き方になってしまってました(集められてる楽曲自体は上質だと思います)。
しかし最近、いつものように「ながら作業」(読書)している最中に「!!!!!」と「注意力が奪われる瞬間」がありました。
私が「!」感覚になったのが、この動画の4曲目、Asoの「Ur OK」。
なんかソファーに深く座って、ゆっくりと息を吐き出させるような呼吸にさせてしまうような、「不思議なゆるさ」を醸し出す効果を持っている、魔術力のある1曲ですよ。
あんまりにも気に入ってしまったので、1曲単体の動画はないのかYouTube上で探したらありました。
ということで、いたく気に入ってしまったので、ここ数日はこの曲ばかりヘビーローテーションで聴きながら読書してたりします。基本、フレーズの繰り返しですが、前回の記事で紹介したような、ウィリアム・アッカーマンのタタタ系(私の造語です)の曲(synopsis)のような、後頭部(後脳?)に響く、「脱魂化」を促すようなタイプの曲とは、また異なってますよねえ。
むしろガットギターの音色から、最初に連想したのはゴンチチの「水筒をさげて」という曲でした。
それから、ハッピーエンドの「あの名曲」。ゆるさの極北「夏なんです」。
watch on YouTubeリンクをクリックしてお聴きください。
細野晴臣のボーカル入りの曲ですけど、ほんと「ゆるく」ていいですよねえ。
そして最後に連想したのがNujabesの「Aruarian Dance」のダウンテンポバージョンです。
この曲はマングローブの作品「サムライチャンプルー」で使われたオリジナルバージョンを遅いテンポに改変したものですが、本来のテンポはかなり速くて(関心のある方は探して聴き比べてみてください)、それだと、「ゆるい気持ち」を喚起しないので、「この改変はアリ」だと個人的には思うんですよ。皆さんはどうでしょか?nujabesの曲は叙情的なものが多いです。「Spiritual State」所収の「Island」はお気に入りの1曲ですが、今回のテーマとはカテゴリー違いのような感じがします。
「Island」ほどじゃないですが、「Aruarian Dance」にも感情を喚起する要素があるので、今回大プッシュしているAsoの「Ur OK」の「感情脳ではなく身体(呼吸)に訴求する力」があるのではないかと思われるタイプの曲とは、またちょっとタイプが違ってますかね。
まあ、音楽に反応する内部センサーの調整具合は人それぞれなので、「なにその、ゆるさがいいとか、全然わかんねー」とおっしゃる方もいらっしゃるとは思いますが、「あ、その感覚わかるわー」とおっしゃることのできる系の音楽ファンの方には、Asoの「Ur OK」はかなりお気に入りの楽曲になるんじゃないかと思います。
読書しながらヘビーローテーションで聴いてみてください。 -
70年代にティン・パン・アレー周辺の人脈図に登場してくるのが南佳孝。AORなんて言葉がなかったころから、もう「AOR(オトナ)な歌」ばかり歌うシンガーであった。
ちなみにAORというのはアメリカの音楽業界人が促販キャンペーンのためにひねり出した言葉だが、日本ではこれが、アダルト・オリエンテッド・ロックの略称と宣伝されるようになった。だが「オトナ志向のロック」って何だ。
AOJ(オトナ志向のジャズ)、AOB(オトナ志向のブルース)、AOE(オトナ志向の演歌)、AOF(オトナ志向のフォーク)、AOS(オトナ志向のソウル), whatever!!!
Rの箇所を別の音楽ジャンルにしてみれば、こういった表現がいかに馬鹿げたものだったか、よく分かるだろう。
AOJというジャンルが存在しないように、AORってジャンルは、本当は存在しなかったんだよ。ロックはロックでしかないし、それは8ビート音楽のバリエーションでしかなかったはずだった。だが世の中のリスナーたちの多くが「裸の王様」のような戯画に陥っていった。90年代に入ると、AORはダサいというような風潮が特に新世代の側から言われるようになった。だが創作され世間に発表される音楽において「本当に存在する違い」というのは、それが「よい作品」であるか、「取るに足りない作品」であるかということだけだ。「その違い」はジャンルに関係なく存在するということが、多くの人(特に当時の新世代)に理解できなくなっていた。そして90年代の新世代ロックの勢いも凋落して今にいたる。
だからオレは、早く、みなが「そんな言葉上の催眠術」から目覚めてくれればいいと思う。特に若い人たちにそう願う。
南佳孝の話に戻ろう。
鈴木茂のギターをバックに歌う「これで準備OK」(「忘れられた夏」所収)なんて最高だけど、ロックなのにジャズっぽく聴こえるのが南佳孝の持つ魅力だった。
だが今回オレが紹介したいのは、この1曲なのだった。「プールサイド」という曲はこの曲よりずっと人気があるみたいだけど、同じようなモチーフを扱った歌としては、オレはこの曲「Back Stroke Swimmer」(Daily News所収)の方がずっと好きだ。ということで、若い人にもこの曲のよさが分かってもらえたらうれしい。
村田和人にも、似たモチーフのある名曲があるので、「南佳孝VS村田和人」ということで紹介したい。「Mrs.Julyへの伝言」(Boy's Life」所収)これもいい味わいがある曲だよね。
といういことで「隠れた名曲」カテゴリーは、邦楽については、南佳孝、村田和人ではじめることにしましたよ。
p.s. 「ティン・パン・アレーなんて名前、自分がティーンズだったころ、聴いたことないぞ」とおっしゃる当時ティーンズだった方々。確かにそうかもしれない。でも「オールナイト・ニッポン」という深夜ラジオ番組を当時聴いていた人は、ティン・パン・アレーという名前は知らなくとも、彼らの音楽自体はちゃんと聴いてるはず。番組の合間合間でつなぎとして短く流されていた曲が実はティン・パン・アレーの曲だったのだよ。