"お薦めアーティスト"カテゴリーの記事一覧
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初めて「攻殻機動隊 Ghost in the Shell」のビデオを見たのは98年だったと思うけど、そのとき、BGMで流された聴いたこともないタイプの歌(「謡Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」)に度肝を抜かれたものだった。ほんとにびっくりしたのだった。
歌を歌っていたのは民謡畑で活動をしていた西田社中というおばちゃん3人組だったということを後から知って、またまた「ええ!?」と度肝を抜かれた。
最近You Tubeで作曲者の川井憲次氏のコンサートに、その西田社中が出演している動画を見つけて、またまたまた度肝を抜かれたのだった。
ネットをあれこれ読んでいくと、ブルガリアンボイスというキーワードが頻繁に出てくることに気がついて、この言葉についても調べているうちに、「あ、そっか、新居昭乃のWANNA BE ANGELってブルガリアンボイスと関係があるんじゃね」と思い、さらに検索を続けたら、作曲者の菅野よう子関連記事でちゃんと出てきた。
で、じゃ本物のブルガリアンボイスってどんなものだろうと思って、You Tubeで検索したら、リピートフォース(何度も聴きたくなる誘引力)がはんぱない曲に出会ったので、これも「超オススメ」ということで紹介せずにはおかないのだった。それが以下の動画「ANGELIC SINGING of Bulgaria - Malka Moma - Neli Andreeva & Philip Kutev Choir」。
日本の島歌のような歌いまわしで歌われるソロパートのバックは大勢の人数で歌われる西洋風のハーモニー。かなり不思議な組み合わせだが、これがすごく感動的なのだった。この曲を聴いてハマってしまう人、結構いると思うよ。
アジアの女たちの歌声って基本的に「きんきら声」なんじゃないかと思う。インド系でも、西アジア系でも、声質はきんきら系じゃないか。クラッシックの発声がみな似通っていくように、民謡の声にも「そのように発声して歌わなければならない」という演奏コードのようなものはあるのだろうと思う。そしてクラッシックでも民謡の世界でも「似た声質」を相伝的に身に着けてきたのだろう。
日本の民謡の節回しとの同質性といえば、やはりあとはモンゴルの民謡だろうねえ。
ということで以下参考2。PR -
思い返して見ると、LP時代に発売されていた70~80年代のアルバムを買いなおした以外、2000年代以降に買ったアルバムはほぼインディーズ盤ばかりだったのに気がついた。
ネットにもCDのアルバムチャートが繰り返し出てるけど、結局、「何枚売ったか」ってことばかり騒いでる。
それよりも有線などのリクエストチャートとか、全国ラジオ協会リクエスト集計(そんなのがあったとしてだけど)の方が「楽曲のリスナーの心への浸透度」がわかっていいと思うね。それにネットでCDのチャートを出すなら、アメリカのように詳細なジャンル別チャートを発表したほうが、幅広い売り上げ効果にむしろ貢献するんじゃないかと思うね。
「おお、ジャズっていまこんなのがウケてんのか」とか分かるよね。AKBとジャニーズが独占とか書かれても、たとえばジャズ好きのおっさんの場合「じゃ、オレも買って聴いてみようか」とか思わないでしょ。毎月定期的に日本のジャズ部門だったり、日本の歌謡曲部門、ヘビーメタル部門、フォークロック部門とか詳細に紹介してくれたほうが、リスナーの立場としても「有用な情報」になるんじゃない。せっかくネットって便利なものがあるんだから、たとえばYahooとかlivedoorなどのポータルサイトで毎月そういった詳細な部門別チャートを発表するようにすればいいんだよ。
当ブログではたびたびアマチュア・インディーズ楽曲配信サイトのNEXT MUSICの話をしてきたけど、このサイトがネット上に存在していたころ、ダウンロードしてCD-R化して聴いていた曲のことばかり最近は思い出す。
前回はTACCAさんを紹介したけど、今回はGood Face Rockets。このバンドは2005年に「CREATION」という5曲入りのミニアルバムを出しているんだけど、私がCD-R化した日付を見てみると2007年だったので、NEXT MUSICでGood Face Rocketsに気づいたのはそのさらに2年後だったことになる。このミニアルバムはいまでもamazon.co.jpで購入できるよ。
01距離と空想
02Hey
03真夜中の独り言
04桜散る雨の日
05初夏曲を作りボーカルをやってたオカジマサナエは、NEXT MUSICでは「たからものやさん」という名義で楽曲を発表していた。イチオシ曲は「桜散る雨の日」かな(「桜咲く春の日」とかいう題じゃないところが、まさに「たからものやさん的感性」だよね)。
さらに言えば、彼女は声質が独特で、どこかアニメの声優みたいな声使いをする。吉川ひなのとかやませまみとか、ああいう系列の声質。アニメで言えば「シュガシュガルーン」のヒロイン、ショコラ・メイユール(松本まりか)のような声だった(「シュガシュガルーン」については当サイトで以前採り上げたので覚えている人もいるはず)。
もしショコラ・メイユールがロックバンドを組んだら、ああゆう気質の娘なら、きっとこんな、激しいけど、でも、一方ですごく切ない曲を書いて、「こういう声」で歌うんじゃないかと思ったとき、「それはありうるな、うん」と妙に納得してしまったのだった。(シュガシュガルーンはYou Tubeでも見られると思うのでショコラの声がどんな感じか知りたかったら一度聴いてみてほしい。)たとえば「シュガシュガルーン」のエンディング・テーマに「夜の風と君の声」を使ってもいいじゃないか。「君」とはすなわちピエールだよ、みたいな空想が沸き起こる。
「CREATION」というアルバムがフルアルバム形式だったら、もっといいアルバムになったと思う。私はNEXT MUSICに彼女がアップロードしていた楽曲の中から、あと8曲追加して、「CREATION+α」という私家版CDを作成して聴いている。ほんとすごくいいよ。
Good face Rockets/Creation+α01距離と空想
02Hey
03真夜中の独り言
04桜散る雨の日
05初夏
06like a strawberry
07piece of my life my time
08snow
09わたしが、想いをめぐらせるすべての人へ
10夜の風と君の声
11例え話
12水中呼吸
13ポラロイド楽曲の強烈な独自性と良質なメロディー、コード感覚、もっともっと注目されてもよかったバンドだったね。昔ネットで検索したら、「バンド名(水中呼吸)を変えて活動します」というような趣旨の記事に行きあたったけど、それもずいぶん前のこと。今彼女は音楽活動してるんだろうか。
それでもネット上にはGood Face Rocketsを制作販売した会社のウェブサイトにアルバム発売時に作ったと思われる紹介ページが今も残っているので、興味のある人は訪れてみてください。
21世紀に入り、日本人の多くが「流行歌」に関心を持たなくなった。メジャーが斜陽産業化しているのにインディーズだけが調子がよいなんてないわけです。かつてはネット上にたくさんあったアマチュア・インディーズ音楽配信サイトはほぼ消滅。かろうじて営業を続けているMUZIEにGood Face Rocketsのページがありました。
p.s.
なんと「水中呼吸」名義の「桜散る雨の日」ライブ映像バージョン(全6曲)がYouTubeにあがってた。20012年の9月にアップロードされているってことは、彼女はまだ活動中ってことなんだろうか? 個人的な意見としては「GOOD FACE ROCKETS」というバンド名は捨てるべきじゃなかったと思うよ。 -
昔NEXT MUSICというアマチュア、インディーズ系の音楽集約サイトがあった。ほんとに名曲の宝庫だったけど、残念なことに突然ネットから消えた。
その当時ダウンロードしたアマチュアの楽曲はもちろん保存しているけど、年末から最近にかけて無性に聞き返したくなった曲がTACCAさんの「けやき通り」と「Love Time Way」と「Dear My Friend」だった。
この人の曲の持つ雰囲気は独特で、私は70年代半ばからのポップス・ロックファンだけれども、この人のかもし出す雰囲気と似たような感じのアーティストを思いつかない(しいて挙げろと言われれば「ルビーの指輪」の寺尾聰か、でもやっぱ違う)、とにかくユニークで、そしてすばらしいメロディーメイカーなのだった。
以下は私が2006年の6月に作成したTACCA楽曲集(4枚組み全60曲)
今でも彼の楽曲がネット上にあるだろうかと調べたら、いくつか見つけることができた。
「けやき通り」
コーラスのハマリ具合が絶妙で、これはコラボ作品らしいけれど、リピートモードで聴きたくなる名曲ですよ。
「雑音がなく音質はいいけど、つまらない曲」ではなく、「録音方法(あるいは録音結果)は完璧ではないけど、心を打つ曲」がよい曲ではないだろうか。彼の場合、基本、打ち込みサウンドだが、もしアナタが真の音楽マニアならTACCAさんの「潜在力のすごさ(独特のセンス)」に感嘆せずにはいられないハズ。(たとえば、星勝でアレンジ、スタジオミュージシャンでオケ作ったらさらにどんな具合に聴こえただろうかとか空想するわけですよ。)
「Dear My Friend」
私個人としては「Dear My Friend」をカバーしてみたいので、休み中に一念発起して、いっちょやったろーかな。
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ということで、今回はいつものようなp.s.方式で前回の記事を補足していくと、記事が長くなりそうなので、異例なことだが、別枠でもう一本記事を投下させていただく。
「キラリ☆」の2:07~2:08というほんの2秒ほどの間に出てくるセンターの新井ひとみの「頭の動かし方」がものすごく面白い。
彼女だけがカメラ目線で顎の先を重心移動に合わせてヒョイヒョイヒョイ、ヒョイヒョイヒョイと動かしているんだが、なんかその「見る者の無意識な視線をそこに集める力」というか、おそらく初めてこのPVを全体的にぼんやりと眺めていた者も、このシーンを通りすぎたのち「アレ?、何か不思議な感覚が通りすぎた。なんだろう?」ってモヤモヤ感に襲われたはず。
で、その疑問を解くために改めてよーく観察して見ると、新井ひとみが「中心から磁力線を出すダンス」をしていたことに気づかされるという寸法だった。いやーすごい2秒間だ。ということで、ここ何度も見直しました。みんなも、この2秒間の面白さに気がついてほしいな。そしてこの「人間の肢体が日常とはまったく異なった動きの組み合わせをするときに生まれる力」に----つまりダンスにだね----ノックアウトされてください。
「鼓動の秘密」のイントロ部分の円陣形でくるくる回る動き方が面白いよね。最後はあの動きで列を作るんだよ(振付師誰なの、すげー斬新だよ)。映像的には画像からコマ抜きする手法を使っているけど、これは人形的な動きを強調するために撮影編集側からフォローしてるんだろうね。エンディングの音を聴いたらperfumeの「シークレット・シークレット」のPVを思い出したけど、(オレがエルゴプラクシーのピノちゃんを使ってフェイク図作った曲ね)、この曲も人形のモチーフでできてるし、なんか秘密のレスポンス動画的な隠し意図さえ感じたんだけど、実際はまったくもとネタとして意識されてないのかな?
「YMCK REMIXバージョン」も、音楽、アニメーションともに、とてもかわゆーくて面白い。 「ヒマワリと星屑」のイントロ部でのエアーギター・シーンの振り付けも斬新。いやー、ほんといいわー。アルバム全編「本物のギター奏者」は土方隆行さんっていう話だけど、やっぱ「その1」で書いた通り、「あの時代」から音楽ルーツをひっぱってきてるってことだよねえ(土方さんって、まさに吉田美奈子のギタリストだったからねえ)。ということで吉田美奈子の「TOWN」参考音源にはっときます。
子供時代の美空ひばりが「子供のくせに大人の歌を歌うなんてけしからん」と審査員の先生だかにたしなめられたエピソードが伝わっているけど、それはおもに「歌詞の内容」と照らし合わせて出てきた当時(昭和)の大人たちの倫理感から出てきた言葉だろうけど、もはや「子供が大人の歌を歌うな」などとたしなめる大人は絶滅している(それがいいことなのか、悪いことなのか、ほんとのところ判断に迷うところだけど)。
「Liar」とか「Limited addiction」とか見ると、江戸時代の角兵衛獅子の子供たちに大人たちから寄せられたような、ある種の感情も沸き上がってくる。そこにはアクロバット技術に対する称賛の隣に憐憫の情もあるのだ。オレが角兵衛獅子的感情を感じるのは「歌詞」ではなく「振り付け」に対するものだ。
あの年頃の娘には似合わない振り付けを、まるで「ささ、みな殿方を喜ばせるために踊るのよ」と歓楽街を牛耳るオーナー・マダムに命令され、「でも、がんばって踊っている幼い踊り子たち」を見るごとくに、目頭熱くせずには見られないという、ごくごくかすかに感じる感情が、やはりオッサンやオバサンたちには幾分なりとも沸き上がってくることもあるんじゃないだろーか。まあそんな微妙な感情も彼女たちが少女時代を卒業するまでの話だが。彼女たちが「薄くて軽い身体」を手放す時期がきたら、もはや角兵衛獅子的感情はやってこないだろうからねえ。ってことはこれらはある意味「貴重なPV」なんだよな。
ということで「ほんとにエロくて大人な音楽のPV」とは、かくあるべしということでここでも参考PVを紹介しておこう。オレのお気に入りアルバム、R.ケリーの「12play」からサザンオールスターズの歌の歌詞も吹っ飛んじまうくらいに「これはヒドイ!」、けどカッコいい「Bump n' Grind 」
エイベックスさんも「大きなお友だち」向けに、いたいけな娘たちにあんまりむたいなことさせるんじゃないよ、というような「お父さん目線」の釘刺しを行って本稿は終わりにする。がんばるんだよ、娘たち。 -
相変わらず、アニメはいろいろと見続けているのだが、ここ最近アニメに使用されている楽曲で、「おや」っと思うことが多かった。つまりアイドルの歌っている曲にもかかわらず、楽曲として上質なのものが増えたのではないかという印象をしばしば感じるようになっていたのだった。
こういう状況が生まれたのはperfumeの成功が大きいと思う。楽曲提供者の中田ヤスタカのインタビューを読んで「そーだったのかー」と驚いたことがある。中田ヤスタカがperfumeに楽曲を提供するまでは、「アイドルの歌う曲は上質でなくていい。いやむしろ上質であってはいけない」というような暗黙の業界ルールのようなものがあったそうで、中田ヤスタカは、そういう状況に怒りを感じ、そのような理解不能なルールをぶっ壊したいと思い、そういう慣習とは逆をやったというような趣旨の発言をしていた。結果アイドルの出すアルバムだったにもかかわらず質の高いアルバムが生み出されるという画期的な状況が日本の音楽界に生じたのだった。表題につけた「あの衝撃」とは、もちろんperfumeがもたらしたものを指す。以前にも書いたがアニメで使用される曲は質の高いものが多い。そして近年になってさらにアイドルがここに加わってくることになるのだが、去年「あれ、なんかいいくね」感じたのが、SUPER☆GiRLSの歌う「プリティーリズム・オーロラドリーム」の「Happy Go Lucky」だった。調べたらアイドルグループだった。「あ、アイドルグループが歌ってんだ。でもなんか印象に残るなあ。それにEDに登場してくる彼女たちの立ち姿もなんか心に残るけど、いったいなぜ?」とか思ったのだった。
このアニメには今回の主役の東京女子流もEDに参加している。そのときのオレの印象は、すごく幼い感じで(もしかして小学生?と思った)、振り付けも、手旗信号を模した、かなり簡素なものだった。
で、次は「モーレツ宇宙海賊」だ。OPもEDもともにももいろクローバーZが歌っているけど、音楽的に面白いのはEDの「Lost Child」の方だとオレは思う。このオープニングテーマとエンディングテーマに驚いたので、調べたら、ももクロがすでに面白いアルバムを作っていたという事実を知ってまた驚いたのだった。
でなんで急に「プリティーリズム・オーロラドリーム」ではスルーしちゃった東京女子流を話題にする気になったのかというと、今GYAOで、彼女たちの新しいアルバム「Limited addiction」に入っている楽曲のPVが大量に投下されているのにたまたま気がついて、とりあえず試しに見てみたら、なにかものすごくびっくりするような状況が生まれていて、結局ギャオに上げてある11曲全部を視聴してしまったのだった。(NHKの「はなかっぱ」のEDも歌っていたのだった。ああ、そーだったのかー、彼女たちの歌だったんだー、とまたびっくりした。)
とにかく楽曲はハイクオリティだし、PV映像は凝ってるし、しかも彼女たちのダンスは振り付けとともに見る者を魅了する。ダンスする彼女たちの体つきは少女時代の「薄くて軽い身体」そのものなのだが、だからこそ、なにか不思議な感覚を呼び起こすPV集だった。同じことを彼女たちが身長の伸びた高校生、あるいはそれ以後の「重い身体」でやったら、違った印象になったと思う。
彼女たちの歌う楽曲の日本におけるルーツは、70年代の終わりから山下達郎とか吉田美奈子とかが始めたあの系統の音楽だ。だから吉田美奈子が歌ってもサマになるような楽曲に仕上がっている。
とにかくオジサンであるアナタも、そうでないアナタもまだPVを見ていないなら、今のうちにギャオに行って11曲全視聴してみることをお勧めしたい。
p.s. amazon.co.jpで東京女子流の「Limited addiction」の評価コメントを読んでみれば、perfumeがアルバムを出したとき、多くのオッサンたちをコメント欄に巻き込んでいたけど、どこか似た状況だってことが分かると思うよ。